蜜月まで何マイル?

    “万事ようそろ”
 


お偉い学者先生が言うには、
この地上へ生き物という存在が現れる切っ掛けとなったのが、
他でもない“海”があったからこそ、なんだそうで。
塩水の濃さの濃いほうから薄いほうへ、
同じ濃さにしようとする“しんとーあつ”ってゆー働きをもつ膜が発生して。
その膜が壁んなってのクルンとくるまれた存在がまず出来て。
内と外とは同じ濃さにしていよう、そうでないと生き延びにくいぞって、
それがどんどん発達してって。
現に生き残ったのは、
その能力が冴えてる奴ばっかで…ってのが繰り返されて。
やがては“呼吸”とかって はたらきに発達してもいったらしいんだけども。
そいつらが言ってみれば“生き物”の始まりなんだって。


 随分と乱暴な解釈だけれど、って、チョッパーがう〜んって唸ってて。
 そうね、おおむねそんなところよねと、ロビンがにっこり微笑ってて。
 何だ何だ、お前 そんな勉強もしてたんか?ってウソップが驚いてて。
 随分と余裕じゃねぇか、って、フランキーがパーツ立ち上げるほど反応してくれて。
 あの冥王のおっさんと修行したんなら、そういうこともありだろってサンジが笑って。
 そうですね、あの方は同世代とは思えぬ奥深いお人だしって、ブルックも言ってて。
 いつもの“大体判った”なんでしょ どーせって、ナミがちょっと呆れて。


   それから、それから……




 「    …………あでーーー?」


総身を包むのは、どこか生ぬるい暖かさ。
日なたの海の波打ち際の浅瀬に寝転んでるみたいな、
ちっとだけじんわり暑くて、
でも“やさしやわらか”なのが不愉快とまではいかない感触で。
どこまで夢だったのかなぁ。
こうしてっと、そのまま また寝入っちゃいそうだよな。
風があるから水ん中じゃあない。
そうだ、俺、水には浸かれないんじゃんか。
悪魔の実のせいで、一生 金づちになっちまって。
でもでも、そんなくらいじゃあ
海賊になりたいって気持ちは折れなくて。
そうさ、さんざん鍛えてそれから、広い広い海へ漕ぎ出して。

 「  ふぃ、寝てんなら おやつは晩飯に回そうか?」

サンジの声だ。
そうそう、相変わらず美味い飯ばっか作んだよな。

 「あら、そんなお誘いにも起きないの?」

あんまり驚いたりしないロビンが“意外だわ”と思ったらしいけど、
それにしちゃ、相変わらず静かな言い方してっし。
きっと綺麗な笑い方してんだぜ。

 「寝たまま食べる技を身につけたんじゃなかったっけ?」

ちょっと遠くからの意地悪そうなこれはナミの声かな。
そんな物言いしてても、けろんて笑い方すっから好きだよな。

 「あれって体にはよくないんだぞ?
  寝てるときは休んでる筋肉とかあるから、異物が気管に入りかねなくて」

おおお、さすがチョッパー難しいこと言ってるけど、
それって…

 「おいおい、俺の料理は“異物”扱いかい。」
 「あ・やっ、ややや、そそそそ・そうじゃなくてだなっ!///////」

ははは、さっそくしどろもどろになってやんの。
やっぱ か〜わいいのな♪

 「こらブルック、あんまり身を乗り出すなっ。」

お、これはウソップの声だ。
ぎーちょんぎーちょんってノコギリの音もすっから、
何か作ってんのかな。

 「そうだ、
  確かコーティングとやらをされてっから船は潜っても無事だが、
  悪魔の実の能力者が落ちて溺れるのまでは、
  さすがにフォローしてくんねぇぞ。」

こっちはフランキーの声だな。
なんで大工はノリがいいとこまで似てんだろ。
カァッコいい発明品をイエェ〜イって見せてくれんのが、
ホントに凄げぇ楽しみでサvv

 「そうでしたね、これはうっかり。
  不意打ちで落ちたなら、水面走りも間に合わないかも知れません。」

自分のことなのに、ヨホホホ〜イってお気楽に笑ってっけどサ、
ブルックのあの海面走るのって、
骨になってから出来るようになったんだろに、
どうやって練習したんかな?
何遍も沈みかかってって練習は、
助けてくれる奴がいなきゃ無理だろし…なぁ?


  「        んん?」


え? あ・いや、えっと。
ななな、何でもねぇぞ。//////////
つか、なんも言ってねぇじゃんかよな。/////////
なのによ、頭なぜながら訊き返してくんじゃねぇっての。///////
みんなが大きくなったって方向へ見違えてた中で、
(注;年齢を重ねたの意)
自分だけ、凄んげぇ目立つ傷まで増やしててやがってよ。
だってのに、中身はあんま変わってねぇで、
暇さえありゃ居眠りしてんのも、
人ンこと抱き枕扱いなのも一緒なんだからな。

 ……まあ、何だ。

ちょみっと胸板とか堅くなってるし、首も頑丈さが増してるし?
二の腕なんか丸太だ丸太。
前は油断してっ時は たしょーはやらかいトコもあったのによ。
ばっ、馬鹿、違げーよっ。
やらしーじゃなくて、やらかいだ やらかいっ/////////
俺だって“しゅぎょー”したから、
けっこ逞しくなってたつもりだったけど。
ゴムの体だから見た目の変わりようには限度があるらしいし、
それによ、先にもう あんだけガッチリしてたんだもんな。
何がじゃねぇ、ゾロが、だ。
後出し…じゃなくて、ふらいんぐ?
そうそう、先に頼もしくなってたんだもん、
後から追いかける方は不利ってもんだよな、うん。
何でこーも、自分だけ先に先にカッコよくなってるかな、こいつゎよ。


 「さっきから、何ぁにをごちょごちょ言ってやがるよ。」
 「うっさいなっ。///////
  ゾロこそ、さっきから人のドコ触ってやがるかなっ。」
 「何、こんなところに勝手にキズ増やしてやがるからよ。
  気になるもんはしょうがねぇ。」


  ……………………さて、ここで問題です。
  我らが剣豪殿、
  未来の海賊王のどこに増えた傷痕が気になっておいでなんでしょうか。
  ヒントは、隠し果せてない場しょ……っ


   「そこっ!
    甲板なんて往来で、鬱陶しいことしてんじゃないわよっ!」

   「だぁっ! 何しやがるっ!」
   「ひゃあっ! 凄っげぇ〜♪」


  今日は ところにより、
  威力を増したサンダーボルトテンポが降って来かねませんので、
  後は皆様で よしなにご想像をvv




   〜どさくさ・どっとはらい〜  2011.06.23.

  *カウンター 383、383hit リクエスト
    一心サマ 『メンバーの好きなところを挙げながら、
          ゾロへの気持ちを再確認するルフィ』


  *ようそろというのは、
   航海用語で“直進”の意味、
   転じて、了解とか問題なしって意味なんだそうです。
   蜜月設定で書き始めたんで、
   何だこりゃな展開になっちゃいましたな、すいません。
   あと、もーりんは“アニメ派”ですんで、
   シャボンディ諸島からの一味の出発が
   追っ手に追われてのものだったかどうかとか、
   海域から出てすぐにも
   海底へ向けての潜行を開始しちゃってたよとか。
   そういった詳細、全く知らないままですので、
   こんな一時が挟まる隙なんてなかったよという、
   事実・現実にも、
   出来れば眸をつむっていただきますよう……悪しからず。
(こらー)
   でも再会した皆の中、
   さすがは ゾロル最大大手の原作様っていう
   面目躍如なシーンが満載だったそうですしねvv

   いやもう、本誌はとっくに魚人島編へと突入しているそうなのに、
   アニメは余裕で追いつけぬスタンス保っております今日この頃。
   関西地方なんて更に2週間遅れてるんですぜ?
   同じ本誌の銀魂でもパロられてた『2年後に…!』には、
   一体いつ辿り着けるものなやら…。(ふう……)
   小さいルフィちゃんたちは可愛いですが、
   あちこち苛酷なお話なんで観てても辛いですし。
   いろんな意味から歯痒いったらありゃしません。


ご感想はこちらまでvv めーるふぉーむvv

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